屋根の塗装は年数が経つと劣化して塗膜が剥がれてくるので、定期的に塗り替えが必要です。
そのほか、自然災害の影響で突発的に補修が必要になってくる場合もあります。
屋根の塗装以外で必要な補修とは、どのようなことがあるかチェックしてみましょう。
【屋根補修を検討が必要な場合】
★屋根の一部が台風や強風の影響でめくれた
毎年発生する台風や、突発的に吹く強風などで、瓦が数枚めくれてしまった、金属屋根が軒先からはがれてしまった、といった被害が起こる可能性があります。
多少のめくれでも、屋根材がめくれていると雨の流れる道が変わり、雨漏りへと発展する恐れがあるので、放置するのは危険です。
★雨漏りしている
屋根補修の検討のきっかけとなることが特に多い原因です。
雨漏りがひどくなると、室内に浸入した雨水でクロスが汚れたり、家具や家電を濡らしたり、カビを繁殖させてしまうなどの実害が出るほか、建物の耐久性にも影響があります。
屋根補修の業者選びでは、信頼できる業者を選ばないと「何度修理しても雨漏りが止まらない」といったトラブルが起こる可能性があるので注意しましょう。
★瓦がズレていて落ちてこないか
堂々とした姿が実に豪華で魅力的な瓦屋根ですが、台風や強風などの風害にもっとも影響を受けやすい屋根材でもあります。
瓦がズレていても、屋根の下地に防水シートがあるのですぐに雨漏りすることはありませんが、瓦が落ちてくる可能性があるので、早めに屋根補修を検討したほうがいいでしょう。
★瓦屋根が地震で崩れないか
瓦は重量のある屋根材のため、瓦屋根だと住居の重心が高くなります。そのため、地震の揺れの影響をうけやすいといえます。
瓦屋根だと地震のとき心配だと思うなら、屋根の葺き替え工事を検討してみるのも、一つの手です。
見た目をあまり変えたくなければ、軽量ハイブリッド瓦へ変更することができます。
耐震面ではガリバリウムなどの軽量な屋根材がおすすめです。
★屋根にコケが生えている
窓から外を見たときに屋根にコケが生えているのを発見する場合があります。
屋根材の表面を保護する塗膜が劣化してしまうと、防水機能が低下してコケが生えてしまいます。
住居の屋根にコケが生えているのを見つけたら、塗装などのメンテナンスを業者に依頼しましょう。
★「屋根の補修が必要」と訪問営業で言われた
突然来た訪問営業から「屋根の補修が必要だ」と言われた経験がある人もいることでしょう。
そんなこと言われたら心配になりますね。
ただし、慌ててその場で依頼せずに、ほかの業者にも屋根の点検をしてもらいましょう。
訪問営業の中には悪徳業者もいるからです。本当は屋根の補修が必要なかったり、価格が適正ではない場合があります。
住居のメンテナンスを頼んでいる業者がいるのなら、そちらに確認してもらいましょう。
【屋根の劣化サインと補修方法】
*屋根材
◎劣化サイン
★瓦(粘土瓦)
耐用年数が半世紀以上といわれているため、屋根材自体の劣化による補修は生じにくいです。漆喰部分に劣化が生じたり、強風や飛散物の影響でズレたり欠けたりする場合があります。
★スレート・セメント瓦
屋根塗装が必要なため、年数が経つと色褪せたり、防水性を失いコケが生えてしまったり、さらにはひび割れや欠けなどが生じる場合もあります。
★金属屋根(ガルバリウム・トタンなど)
塗膜が剥がれて防水性を失うとサビが発生したり、劣化が進むと腐食してボロボロになってしまいます。
金属屋根の中でも、ガルバリウムはサビにくい素材といわれていますが、あくまでも適切なメンテナンスを行うことが前提のことで、絶対にサビないわけではありません。
◎補修方法
★屋根塗装
屋根材自体の状態が問題なく、塗装の色褪せや剥がれのみの場合は、屋根塗装をして表面の塗膜を新しくします。
★屋根材の一部を補修・差し替え
屋根材の一部に割れや欠け、ズレなどがある場合はコーキングによる補修や、一部を差し替え・交換することで対応できます。
★屋根リフォーム(葺き替え、屋根カバー工法など)
屋根材、防水紙、野地板などが耐用年数を迎えて全体的に不具合が見られる場合は、屋根の葺き替えや屋根カバー工法など屋根リフォームを検討する必要があります。
*棟板金(むねばんきん=屋根の棟に使われている板金部材)
◎劣化サインと補修方法
★板金のサビ
サビが進行していて、耐用年数を迎えている場合は交換が必要です。
★釘・板金の浮き
釘が浮いていると、釘穴から雨水が浸入して、板金内部にある貫板が木製の場合、腐ってしまう可能性があります。また、雨漏りの原因にもなります。
この場合、新たなビスで固定してコーキングで防水処理をする必要があります。
貫板が腐ってしまっている場合は貫板自体が固定力を失っている可能性があるため、貫板の交換が必要な場合があります。
★接合部に隙間ができている
コーキングで隙間を埋めるなど防水処理が必要です。
*谷板金(たにばんきん=屋根の谷部に設置されている板金部材)
◎劣化サイン
★部材のサビ
★谷板金のズレ
★ゴミの詰まり
★腐食による穴開き
谷板金は雨水を集めて雨樋へと排水する役割があるため、劣化サインが発生すると雨漏りが発生する恐れがあります。
定期的に屋根を点検して、劣化サインが現れていないか確認することが大切です。
*天窓(トップライト=屋根部分に設置される窓)
◎劣化サインと補修方法
★ゴムパッキンの劣化
窓枠とガラスの間に挟まれているゴムパッキンが劣化すると、雨漏りの原因になります。
紫外線や風雨の影響を受けやすく、年数が経つと劣化するので10年前後を目安に、交換やシーリングによる防水処理を行う必要があります。
★開閉不良
天窓自体を交換するか、なくても良ければ天窓自体を塞いでしまうという選択肢もあります。ガラス割れはガラス交換が必要になります。
*雨樋
◎劣化サイン
★変色やひび割れ
★接合部からの雨漏り
★コケの発生
★ゴミがたまる(劣化ではありませんが、注意が必要)
雨樋が劣化すると、正しく排水されず雨水が溢れ、外壁などを傷めてしまう可能性があります。
ひび割れや穴開きは補修テープで修理することができる状態もありますが、基本的には交換したほうが安心です。劣化している部分だけ交換することもできます。
*軒天(のきてん=屋根が住居から飛び出している部分の裏側)
◎劣化サインと補修方法
★塗膜の剥がれ、ひび割れ、ボードの破損(剥がれなど)
部分補修または軒天全体の張替工事が必要です。軒天補修には足場が必要なケースがほとんどなので、屋根塗装や補修と一緒に行うのがおすすめです。
*破風板・鼻隠し(はふいた・はなかくし=屋根の側面を雨風から保護するために設置されている部材)
◎劣化サインと補修方法
★塗膜の剥がれ・ひび割れ
塗膜の剥がれやひび割れがわずかな程度であれば、塗装とコーキングで補修できます。
★木製部分の腐食
腐食してボロボロになってしまっている場合は部材の交換が必要です。
【屋根補修には火災保険が適用される場合もある】
自然災害(台風や強風、雪害、雹害など)によって屋根や外壁が損傷した場合、火災保険が適用される場合もあります。
火災保険は、火災以外にもさまざまな災害に適用され、地震以外の自然災害によって住居に被害が生じた際にも適用されます。
火災保険が適用されれば、家計への負担を抑えつつ屋根補修ができます。
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