外壁塗装の下地処理に関して書かせてもらいます。
外壁塗装で最も重要なのは下地処理という事が色々な塗装会社のホームページなどでも書かれていますが、一般の方からすれば外壁塗装の下地処理って?と思われていると思います。 ここでは、各塗装箇所に関して、下地処理を少し書かせてもらいます。
外壁塗装の下地処理の重要性
外壁塗装では下地処理が大事とは言われますが、下地処理と一言で言っても色々とあると思います。
こちらでは、まず下地処理の重要性に関して書いてみます。
塗装工事は塗るという事ばかり重要に思われているけど、実際は、この下地処理を行わないと、いくら良い塗料を塗装したとしても、剥がれや捲れなども多く、密着がそもそも良くない状態になります。
ただ、下地処理と言いましても、戸建て住宅の場合は、大型のマンションやRC構造の建物ではないので、下地部分だけを別の業者が行うというパターンは少ないとは思います。
大型のRC造の建物の場合は、下地を専門に補修する外壁改修業者と言われる業種もあり、防水工事の防水工が行う事は多いのですが、ある意味、専門的になってきています。
しかし、戸建て住宅の場合は、当然、箇所も少ないですし、住宅の建て方もRC造ではありませんので、塗装業者が行う事が多いです。
塗装業者の中では、塗るという事をメインに考えている業者も少なくなく、下地処理がキッチリと行われていないために、後からの剥がれ、膨れ、捲れ、雨漏りなどの不具合が起きる事も多いのでは?と思っています。。
女性の方なら、メイクや、ネイルで下地をキッチリとした状態にしないと、いくら上から言い物を塗っても意味がない事は分かって頂けると思います。 ただ、問題は、外壁塗装の場合、剥がれなどの不具合が起きるのが、塗装工事をしてからすぐではなく、数年後という事で、いまだに手抜きをするような悪質業者もいるのかも知れません。。
外壁塗装の最初に行う下地処理
外壁塗装で最も最初に行う作業は高圧洗浄になると思います。 この高圧洗浄は、まさに最初の下地処理と考えて良いです。
昔は高圧洗浄機も高価で、使う業者も少なかったようですが(40年近く前)、すでに高圧洗浄で外壁を洗うというのは外壁塗装の基本になってきています。
とはいえ、高圧洗浄機でも、防音型の物はいまだに高価という事もあって、自社で保有している業者は、防音型を使っていますが、リースで行っている会社は、いまだに音の大きな洗浄機を使っているようです。
高圧洗浄のメインは、屋根の場合は、劣化した塗膜、苔などの除去です。 外壁の場合は、チョーキングを起こして、白粉状になっている旧塗膜の一部を除去する事です。
当社の場合は、下地処理として高圧洗浄機で洗浄するのですから、洗える場所は出来るだけ洗うようにしています。
横樋の中、雨戸、窓、網戸、土間部分(戸建て住宅の場合は階段なども。。)などを一緒に洗浄します。
外壁部分の下地処理の第一は、まさに高圧洗浄という事だと思います。
外壁部分の高圧洗浄の次の下地処理
外壁部分の表面は高圧洗浄が最初の作業ですが、その次は、モルタル外壁の場合は、クラック補修になると思います。
多かれ少なかれ、モルタル外壁の場合はクラックがあります。 非常に細いヘアクラックに関しては、塗装の仕様にもよりますが、塗装を行う事で補修可能です。
全てのクラックを補修しても良いのですが、補修を行う事で、非常に目立つ可能性もあるため、多くの場合はヘアクラックは塗装の仕様で対応しています。
大き目のクラックに関しては、木造住宅の場合は、Vカットなどを行う事によって、余計に状態が悪くなる場合もあるので、キッチリと壁の状態を確認して、クラック補修を行います。
方法としては、クラックの大きさ、深さにも寄りますが、エポキシ樹脂の注入、コーキングでの補修、カチオンセメントの刷り込みなどになると思います。
当社の場合は、いくら後から可塑剤が出にくいノンブリードコーキングを使ったとしても、極力 カチオン樹脂セメントの刷り込み作業は行うようにしています。
ノンブリードコーキングは、可塑剤が出にくいので、後から埃や、排ガスで黒くなりにくいと言われていますが、少し信用できない部分もあるので、セメント系の塗装を全く違う素材で一度 塗装するようにしています。
窯業系サイディングの外壁の場合は、目地部分のコーキングの打替え作業がメインになります。
クリア塗装の予定であれば、2液性のクリア塗料により、コーキング部分ひ細かいひび割れなどが起きる可能性があるために塗装後にコーキング打替えを行うのですが、通常の塗装の場合は、先にコーキング打替え作業を行います。
養生系サイディングの場合は、捲れなど不具合がある場合は、専用のパテで補修する事もあります。
鉄部の下地処理
鉄部の下地処理は、基本 目荒らし、研磨と言われる作業を行い、錆止め塗装を行う事になります。
目荒らし、研磨をケレン作業という事もあります。 旧塗膜の劣化している箇所をキッチと除去します。 また、旧塗膜が健全な状態の場合は、上から塗装する塗料の密着を良くする目的で目荒らしを行います。
鉄部と言いますと、戸建て住宅でも以外に多いです。
雨戸、戸袋、シャッターBOX(被覆のタイプは専用の下塗りを塗ります)、樋などのバンド類・・・
今では樹脂製の物もありますが、換気扇のフードなども鉄製の場合があります。
あと、屋根塗装の場合は、屋根の板金部分も全て鉄製です。 屋根塗装に関しては、使う塗料も水性、溶剤型とあるのですが、当社は耐候性を考えて2液の溶剤型塗料を使っています。 また、カラーベストの重なり目を塞ぎにくいという事もあって溶剤型を使っています。
水性の屋根塗料の場合は、塗りやすいという事はあるのですが、塗膜の耐久性と、先ほど書いた重なり目を塞ぎやすく、後で縁切作業を行うとしても、膜厚がありすぎて、問題だと思います。
屋根の板金部分は、インスタやブログを色々とみていますが、意外に錆止めをせずに塗装している業者も多いようです。。。
木部の下地処理
木部に関しても鉄部と同じで、旧塗膜の劣化した部分などは研磨で取り除きます。
木部は、木そのものが劣化している場合も多いので、念入りに掃除が必要になります。 その上、塗装仕様にも寄りますが、一般の造膜塗料を塗装する場合は木部下塗りなどを塗装する場合もあります。
木部は、破風、鼻隠しなどがメインだと思います。 キシラデコールのような浸透性の塗料を塗装する場合は、同じ材料を塗り重ねるという事になるので、下地は研磨のみになります。
硬質塩ビの下地処理
硬質塩ビの下地処理も目荒らしがメインです。
硬質塩ビは、この目荒らしを行わないと、どうしても密着が弱い為に剥がれなどが起きやすいと思います。
ただ、硬質塩ビの場合は、目荒らしも重要ではありますが、使う塗料も問題になります。
下地との密着を考えると、2液性の溶剤型ウレタンかシリコンになると思います。 使いやすいという事で1液型の塗料を使われているパターンも多いかも知れませんが、下地の密着は2液性が良いと思います。
実は、このような細かい部分で外壁塗装工事の工事代金が変わってくると言っても良いと思います。
極端に安い価格での外壁塗装工事は、色々な部分で材料をランクダウンしている可能性がるために、耐候性などに問題が出る事も多いです。
外壁塗装の下地処理に関して、色々と書きました。
なかなか専門的すぎて分かりにくいかも知れません。
外壁塗装に関してや、現在の家の状態を見て欲しいなどでも構いませんので、当社にお問い合わせ、ご連絡お願いいたします。
外壁診断士、住宅メンテナンス診断士の私自身が確認させて頂きますので、ぜひとも、よろしくお願いいたします。
ちなみに、公式ラインも開設いたしました。 ラインのお問い合わせも可能です。
ラインの場合は、お友達登録のあと、スタンプでも構いませんので、なにかしらのメッセージをお願いいたします。 メッセージを送って頂いた状態になり、初めて、こちらからのご連絡が可能になります。 こちらも、よろしくお願いいたします。