自然塗料とはどのような塗料なのか?
ここ最近、ネットでの塗料の検索でも自然塗料という言葉が検索されていたりします。 実際に自然塗料を使った工事(公共工事)なども今では多くあり、当社も何度か使った経験がありますので、今回は、自然塗料について、少し書かせてもらいます。
また、自然塗料は、外壁塗装に使えるのか?について、ご説明します。
自然塗料とは
自然塗料とは、主成分が天然の素材だけを使用し、環境や健康を考慮して作られた塗料です。
日本では、柿渋や漆などの自然塗料が使われていました。
しかし、石油化学技術の発展により、耐久性が高く低価格な塗料が開発され、自然塗料はほとんど使われなくなってしまいました。
ところが最近では、シックハウス症候群や化学物質過敏症などの症状から、室内環境の意識が高まり、自然塗料が改めて注目されています。
現在、日本で使われている自然塗料は、ドイツから輸入されているものが多くなっています。
ドイツの自然塗料の概念は、単に溶剤塗料の水性化やVOC(揮発性有機化合物)が少ないといったことだけではなく、100%天然成分を使用している塗料なのか、天然成分が主成分の塗料なのか審議されます。
外壁塗装に使えるのか?
結論から言うと、自然塗料は外壁塗装にはおすすめできないのが現実的です。
なぜなら、耐久性が悪く、価格が高いからです。
シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因は、ホルムアルデヒドのほか、塗料から揮発してくるトルエン、キシレンなどの揮発性有機成分が原因となっていることもあります。
しかしこれらの成分は、すぐに揮発してしまいます。
外壁塗装は屋外なので有害物質がこもることがないため、よほどの過敏症でないかぎり、一般的な塗料で問題ありません。
ですので、わざわざ耐久性が悪く、価格が高い自然塗料を使って外壁塗装をする必要はないため、おすすめしません。
自然塗料の種類と分類
ドイツでは環境に対する意識の高さから30社ほどものメーカーが自然塗料を開発していますが、自然塗料は自然界にある成分が主成分であるため、製品自体は極端に異なるわけではありません。
製品の違いは、樹脂・顔料・添加物・溶剤の成分の組み合わせによります。
樹脂(油脂)の成分の種類の違いによって、塗膜となって木材を保護する方法が異なるため、次のように分類されます。
☆オイル系(浸透型)
主成分は、亜麻仁油やヒマワリ油など植物の種子などから採取される天然油脂。木材に深く浸透して木材の質感を残しつつ保護する。
☆ワニス系(造膜型)
主成分は、セラックやダンマルなど樹木や昆虫などの天然樹脂。塗膜を造るも木材の調質機能は残しつつ素材を保護するため、耐水性に強い。
ワックス系(塗膜保護)
主成分は、ミツロウやカルバナロウなどのロウ類。単独で使用すると頻繁なメンテナンスが必要なため、オイルやワニス塗装後の塗膜の補助膜として使われることが多い。
自然塗料Q&A
Q.自分の体質に合うか?
A.シックハウス症候群や化学物質過敏症の対策として、自然塗料を選ばれる方もいるでしょう。
たしかに一般的な塗料と比べると、体質には安心かと思われますが、アレルギー体質においては必ずしも安全とは言い切れません。
天然成分でも、ニオイが強い柑橘系の油などでアレルギー反応を起こす場合があります。
アレルギー体質なら、自然塗料の成分を確認したり、塗料のニオイを実際に嗅いでみる、試し塗りをしてもらいアレルギー反応がでないか一定期間試してみる、など施工前にしっかりと確認して選ぶことが大切です。
Q.メンテナンスはしやすい?
A.自然塗料は石油化学系塗料に比べると耐候性に欠けるので、頻繁なメンテナンスが必要です。
自分でメンテナンスをする場合は、塗りやすいものを選ぶと安心でしょう。
Q.仕上がり感はどの種類でも同じか?
A.自然塗料は樹脂の成分の種類の違いで分類されますが、その種類によって仕上がりの質感が異なります。
ですので、塗料を選ぶ際はサンプル部材を提供してもらい、実際に仕上がり感を確認してから選ぶと後悔しないでしょう。
自然塗料が選ばれる理由
自然塗料は本来、木が持っている機能を損なうことなく、木の特性を生かすための塗料でもあります。
天然由来の塗料だから安全という理由で選ばれることも多いですが、自然由来の建材としてメンテナンスが簡単にでき、耐久性を延ばすことができることも選ばれる理由ではないでしょうか。
自然塗料で塗装しても、自然な木目の美しさやあたたかみのある手触りは残すことができます。
木は湿度が高いと水分を吸収して、乾燥していると放湿する、調湿機能を持っています。
表面に造膜系塗料を塗ってしまうと、せっかくの調湿機能が失われてしまいます。
その点、自然塗料は調湿機能を生かしつつ、保護することもできます。
自然塗料の主成分は天然由来のものなので、周囲へのニオイや安全性を気にせずに、誰でも塗ることができます。
作業性が良いので扱いやすく、メンテナンスもしやすい塗料です。
建築基準法が2003年に改正されてから、シックハウス対策法として内装建材の適切な選択の必要性や、溶剤の危険性などが広く認知されました。
そのため、内装の仕上げに使うものは、カタログや安全データシートなどで確認して、商品の原材料や成分の安全性に気を配ることが当然となりました。
このようなことも、自然塗料が選ばれる理由のひとつと言えるでしょう。
今回は、自然塗料に関して、色々と書かせてもらいました。
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